M&Aと男選びは似ているって話。
突然ですが、企業買収、いわゆるM&Aを行う際のプロセスにおいては、必ず「企業価値算定」が行われます。いわば買収価額の妥当性の検証のようなもので、投じる金額が合理的に最適であることの検証をこの企業価値を測ることを通じて行うわけです。いまやファンドや商社に限らず、多くの企業で事業規模の拡大を至上命題として取り組んでいるなか、多くの投資資金が飛び交っていますが、失敗しない投資を行うためにもその投資対価の検証を行うことは重要と思われます。大金ははたいて買収した企業がポンコツだった、なんてことは悲しいですからね。(とはいえ、しばしばそういった事例もありますが)
- 簿価純資産法
- マルチプル法
- DCF法(Discounted Cash Flow)
M&Aにおける企業価値の手法に一通り目を通してもらったうえで、改めて僕が日本中の女子たちにリコメンドしたことがあります。それは「男選びもM&Aと同じだよ」っていうことです。
企業買収は会社同士の結婚だ、なんて評されることもありますが、男選びで失敗続き、そんな乙女にこそ、企業価値算定の方法をもってして、男選びをしてもらいたいものです。まず、大前提にあるものは「男に求めるものは経済力」というところになります。(よろしいですね?)そのうえで、上でご紹介した3つの手法をどのように男選びで活用するか、次でご紹介したいと思います。
- 簿価純資産法:彼の資産・負債の状況をみるべし。
- マルチプル法:彼のお勤め先の業界・業態から、経済力を推し量るべし。
- DCF法:彼の将来性を見積もったうえで、現在、それに投じる価値があるか検討するべし。
簿価純資産法は、もうシンプルに彼の資産構成に切り込む方法です。預貯金や不動産は、彼の資産となります。一方で、キャッシングやリボ払い、住宅ローンは負債ですね。これらの差額が簿価純資産、つまりは彼の資産(投資)価値となります。
マルチプル法は、彼の業種や業態から、彼の経済力を推定するものです。例えば、一般に高収入とされるお医者様、弁護士様なら間違いなく一定程度の経済力を見込めます。次点で、民間ではありながら銀行、商社であれば高収入といえるかもしれません。外資であればレバレッジが効きますね。
DCF法は、彼の将来性を経済計算に折り込む手法となります。かけだしの芸人・バンドマンではあるものの、将来絶対にデビューする。日系企業だから初任給は安いけど年功序列で稼ぎは増え続ける。起業したばかりで今は儲けはないけど、時流をつかんだ事業だから必ず成功する。そうした将来性を反映できるのはDCF法ならではですね。
これら手法を駆使して、ぜひ男の将来性(経済性)を測ってもらいたいと思います。企業買収と異なり、男性に対して実際に対価を払うわけではありません。しかしながら、一定程度の定量的見積りをもとに、複数名の男性を比較検討することは、あなたにとって有益になるものだろうと信じます。事業経営と異なる点は、一般に結婚は”一度きり”なこと。企業経営においては不採算事業からの撤退は常に選択肢の一つとして挙げることができますが、結婚における撤退は、現時点では世間的な風当たりがあまりよろしくありません。最良のパートナーとともに、事業経営さながら最高の家庭を営んでもらうためにも、やはりこういった視座も取り入れていただきたいものです。
最後となりますが、M&Aにおいては「のれん(超過収益力)」という考えが存在します。これは企業買収において、その企業の将来性に期待して、買収対価を企業の純資産価額より多く投じることによって生じる差額部分についてを指しています。つまり、100の純資産しかない会社に対して、将来性を見込んで150の資金を投じた結果、50の「のれん」が生じるという感じです。
そしてこの「のれん」は、当初見込んでいた将来性の前提が崩れた瞬間に「減損」というかたちで損失として顕現することになります。買収当時に期待していた儲ける力がなくなってしまったということですね。最近ニュースでソフトバンクや総合商社が軒並み「減損で…~」といっているのは、この会計上の処理によるものです。
今回オススメしたやり方のうち、DCF法は将来性を多いに反映することのできる価値算定の方法となります。したがい、男性に大きな期待をかけている女性においてはコチラの手法を活用すればイイと思います。しかし、その前提の確からしさ、客観性の担保、これらを怠った場合、あなたが見積もりではじき出した男性の「のれん」が「減損」してしまうかもしれない、このリスクについて十分に注意いただきたいです。これを念押しするかたちで締めくくりにしたいと思います。