しゃちほこファイナンス

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マキャベリ『君主論』に学ぶ、人生観と女性観。

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西暦2018年を迎えた。西暦はキリストが生まれたとされる翌年を元年と定めているわけだから少なくとも2018年は人類が存在していたと言えるだろう。自身は齢26歳、四半世紀を生きてきて、人並みに思い悩み、苦しんできたこともあるが、平凡な人生を送ってきた一人間が思いつく限りの苦悩は、過去に高尚な誰かしらが必ずと言ってもよいくらいに経験し、思慮をめぐらし解決策を見つけ出してきたといっても過言ではないかと思われる。特に人生をかけて答えがないかと思われる何かしらに対して想いをめぐらしていた哲学者や思想家といった類のひとたちの金言には人生に光を与えてくれるヒントが隠されているかと思われる。そんな今日はマキャベリの「君主論」から人生におけるヒントを見つけ出してみたいと思う。

 

 

1 マキャベリとは

 

マキャベリは1469年にイタリアでうまれた貴族のおじさんである。「政治思想家」兼「外交官」という職業に就き、58歳まで生きたらしい。正直、理系出身で歴史についてひとつも学ばずに来てしまったため、まったくと言っていいほどぴんと来ないが、今の日本人で当てはめるとすれば「(池上彰麻生太郎)÷2」くらいになるのだろうか。

 

有名な著書には「君主論」「戦術論」があり、「君主論」については国のお偉いさんに対して、「僕の考える国を統治する人はこうあるべきですよ論を、あんたが偉くなったプレゼントとして送るよ。参考までに読んでちょうだい」というものらしい。なかなかに肝っ玉が据わったひとという印象をうけるが、それが今も読み継がれるということは相応に説得力のあるものらしい。

 

かくいう私も、性格上へなへなしがちな一面がある中で、「男らしくなりたい」→「男らしい=王様」→「君主論」というミーハーな思考展開の元にこの本にたどり着いたわけであって、ここでのマキャベリの思考に対する是非や、研究対象としての良しあしを語るには及ばない点、どうかご容赦いただきたい。

 

2 マキャベリは「運命=女性」と考える

 

そもそも「君主論」はいかにして国を統治するか、に主眼が置かれた本であるのだが、ミーハーな考えのもと本著を読み解いた私が最も感銘を受けたのは次の抜粋箇所となる。

 

 なぜならば、運命は女だから、そして彼女を組み伏せようとするならば、彼女をたたいてでも自分のものにする必要があるから。そして周知のごとく、冷静に行動する者たちよりも、むしろこういう者たちのほうに、彼女は身を任せるから。それゆえ運命は常に、女に似て若者たちの友である。なぜならば、彼らに慎重さは欠けるが、それだけ乱暴であるから。そして大胆であればあるほど、彼女を支配できるから。

 

一応、「国を統治するにあたって運命はどの程度の影響があり、あらがうことはできないのか。否、勇猛果敢に行動し続けることが大切である。」という前段があったのちに、結論として抜粋箇所となっている点、フォローしておきたい。

 

しかしながら、一読するとマキャベリという男、相当なサディストであったのではないかと愚考してしまう。「男らしさ」=「サディスト」にあるのであれば、ためらわれる結論だが。

 

3 現代社会の状況を俯瞰してみる

 

しかしながら、多くの諸氏が若いころの経験則で次の一種の結論を導き出しているかと思われる。「ヤンキー=モテる」。これはマキャベリが提唱する「女性たるや」に沿った内容であり、時代は違えど(500年前から!)、国は違えど不変の事実であることを認識させられる。

 

草食系男子というワーディングが一時期話題になっていた。(もれなく私もその括りに内包されるかと思われる)。世の女性は「強い」男性を求めているのかもしれない。インターネットが普及し、「Youtuber」「Instagramer」なんていうのが子供のなりたい職業ランキングでも上位ランクインするらしい。一般的には私生活を世に発信することはためらわれ、かつての2chやニコニコ動画は「匿名性」が大前提で、ゆえに諸問題にも派生したこともあったやに記憶しているが、逆行的な「非匿名性」を武器に活躍している姿に一種のギャップを感じている。

 

かかる中、草食系になくてYoutuberにあるもの。これは「自身を犠牲にしてでも、獲得したいことに対する行動力を有すること」に集約されるかと思われ、これはマキャベリの提唱する「人生観」「女性観」に合致する。草食系は好きな女性に対してもきっと傷つくのが嫌だから行動しない。Youtuberは自身のプライベートをなげうって視聴者を獲得しようとしている。ゆえにストーカー問題へと波及する場面もあるようだが、一方で自身の女性関係をネタにして発信している強者もいるらしい。結局のところ、運命も女性も行動しなければ獲得できることなどない、受け身では終始変化はもたらされない、ということなのだと思う。なんや当たり前のことやんけ、そう思うかもしれないが、過去の偉い人が提唱していることを後ろ盾にすると説得力が2倍増しとなろう。

 

…辛い現実を突きつけられた結果になった。「男らしく」なりたい、という想いで「君主論」を手に取り、結果不変の事実を知るに至った。しかしながら、「あるべき姿」は見えても「そのために取るべき過程」については記載がない。要は模範解答はあっても、解を導く過程に対する参考書ではなかったのである。「ゆとり」世代代表としてマキャベリ時代にタイムスリップできるのであれば一言物申し上げたい。

 

「行動のおこしかたを教えてください…」

 

君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

 

 

以  上